洗足音大ミュージカルコース本公演「パジャマゲーム」

洗足音大ミュージカルコース本公演「パジャマゲーム」

 勤務先の洗足音大ミュージカルコースにて、本公演「パジャマゲーム」の翻訳・訳詞・演出をしています。8月下旬から始めた稽古も佳境に入りました。

 ジャズベースの楽曲がおしゃれな作品です。

 

 「パジャマゲーム」は1954年ブロードウェイ初演の古い作品なのですが、度々再演され、近年ではブロードウェイに2006年にリバイバル上演された際は男性の主役が有名なジャズシンガーのハリー・コニックJr.、女性がケリー・オハラ!でした。

https://www.youtube.com/watch?v=OGBztPSt9CA


 ロンドンでは2014年が一番最近で、当時ちょうどロンドンにいた私はそれを観ることができました。演出は演劇・オペラの大御所リチャード・エア!


 そしてこの作品は、伝説の振付家ボブ・フォッシーの振付家としてのデビュー作品でもあります。

 

 デビューにも関わらず、彼独特のスタイルが炸裂しているダンスナンバーが有名なSteam Heatです。

 

https://www.youtube.com/watch?v=hAKQauAfcZU

 

 ボブ・フォッシーについては「スウィート・チャリティ」を演出した時に書きました。天才であり、人間的な欠陥もあり・・・興味深い人です。パジャマゲームへの言及もあるのでぜひ読んでいただければ。

Steam Heatと言えばダンサーのいでたちは黒のスーツに白い靴下と決まっていますが、その理由は、フォッシー自身がその格好で普段から生活していたからだ、といううことが、ニール・サイモンの伝記を読んでわかりました ↓

 

スウィート・チャリティ(2)ボブ・フォッシーについて

スウィート・チャリティ(3)ニール・サイモンとボブ・フォッシー


  これはあまり知られていないことですが、楽曲のうち ”A New Town Is a Blue Town”と”There Once Was a Man”の2曲は、ミュージカルコメディの傑作「ガイズ&ドールズ」の作曲者フランク・レッサーが作曲しました。フランク・レッサーは、「パジャマゲーム」作曲のジェリー・ロスの師匠的な存在で、まだ新人だったロスに協力するために、自分の名前は出さずに2曲 書いたそうです。そういえば “A New Town…” は「ガイズ&ドールズ」の “My Time of Day…”に似ています。

 「パジャマゲーム」は私がアメリカのハイスクールで初めてミュージカルというものに出演した作品でもあります。当時は英語もよくわからず、話もよくわからないまま、アンサンブルでとにかく周りの真似をして動いているだけでした。それが楽しくて舞台の世界にハマるきっかけとなったわけですが、当時はフォッシー振付の作品だとか、そういうことも全く知らずに、ただ曲を楽しんでいました。

  私が卒業したハイスクールは普通の公立学校でしたが、音楽の活動が盛んで、ミュージカルに出演する人たちもすごくレベルが高くて、この作品で主役級をやった人たちはその後ほとんどがプロの道に進んだという、稀有な環境でした。

 今回の公演は、ミュージカルコース全体、総勢300人以上からオーディションで選抜した精鋭で、やる気と才能溢れた学生たちです。学生とは思えないクオリティになることは保証できます。

入場無料ですので、ぜひ観に来てください。