Happy new year! 今年もどうぞよろしくお願いいたします。
昨日、兵庫県立芸術文化センターのジルヴェスターコンサート「プッチーニ・ガラ!」を終えました。
今回は「プッチーニの歌を思い切り聴かせたい」というのがプロデューサーの意向だったので、演出も思い切って超シンプルにして、二重唱や四重唱もあえて演技をつけず、すべて前を向いて歌うスタイルにしてみました。
私自身もコンサートスタイルのオペラ公演が好きで、変な演出のオペラを観るくらいだったらコンサート形式の方がよほど楽しめると思う方です。そういう際に、スマートな形で演出がついていれば楽しめますが、中途半端に演技な演技が付いているとかえって邪魔に感じることがあります。歌手が完全に前を向いて歌うことで、観客が音と字幕だけを頼りに、自由に想像力を働かせることができる気がします。演劇で言うとリーディング公演ですね。
指揮者のDamian Iorioもその意図に直ちに賛成してくれました。
歌手の皆さんそれぞれが圧巻のパフォーマンスで、ひたすら音、音、音の饗宴。圧巻のコンサートとなりました。客席はブラボーの連続で、最後はスタンディングオベーションも。
また、司会進行はテノールの樋口達哉さんにお願いしました。こういうコンサートはよくアナウンサーやタレント、俳優の方などが司会をしますが、オペラを本当によく知っているわけではない人が司会をすると、よく知らない専門用語を喋らされているような感じを受けます。なので今回は、プッチーニを本当に自分のレパートリーとして持っている人に司会をして欲しいと思いました。「ミミ」「ロドルフォ」と言った名前などを、慣れない用語でなく、自分の言葉で語っているかどうかで、まったく伝わり方が違います。樋口さんは狙いをはるかに超える、素晴らしいMCをしてくださいました!! 観客を引き込み、コミュニケーションを取るのも本当に上手です。
アンコールはトゥーランドット・フィナーレ → ケミカルライトを振りながら客席も一緒に歌う蛍の光。
指揮: Damian Iorio
出演:
Gaston Rivero
Seuyoung Kang
中村恵理
並河寿美
池内響
樋口達哉 (司会と演奏)
美術:松生紘子
照明:稲葉直人