先週末、多摩美術大学×洗足学園音楽大学コラボレーションオペラ「ヘンゼルとグレーテル」が大好評のうちに終了しました。
洗足の学生のがんばりもさることながら、多摩美の学生の仕事の素晴らしさには感嘆するほかなく、一部ご紹介します。
幕開き。ヘンゼルとグレーテルの家。
今回は、魔女=母親の「影」(ユング心理学用語で抑圧された別人格)、お菓子の家は自宅の別の姿、というコンセプトのもとに美術と衣裳がデザインされました。



2幕はシンプルな森になります。

遠景にお菓子の家が見えるところ


お菓子の家の中。魔女と手下たち。魔女は欲望の権化で、ドラグクイーン風です。「101匹わんちゃん」実写版のクルエラ役をイメージしました。

家具は自宅と同じものの変形です。キッチン1幕のものを・・・
裏返して、こうなります

お鍋も巨大化し、人をオーブンで焼いた後に煮て食べる道具となります
自宅のスツールは・・・

裏側がバウムクーヘン


お菓子も全て手作り
自宅の窓は・・・

裏返すと、白い砂糖につつまれています

お菓子の家には自宅と同じかまどがあります (よく見ると、上部に子宮の形が。これは、かまど=子宮であり、かまどor子宮は生み出すものでもあり破壊するものでもある、とのデザイナーの解釈から来ています)

ヘンゼルとグレーテルが魔女を押し込むと、かまどが爆発し・・・


ヘンゼルとグレーテルが父・母と無事に再会し、平和な家庭が戻るその時
かまどの破片をくっつけると、テーブルになるように設計されていて

大団円です。

衣裳も全て手作りで、一部は、生地そのものを作るところから始めています。妖精のヘッドドレス

こだまのヘッドドレスなど

両大学にとって貴重な体験となった公演でした。

