カルメン、電話

カルメン、電話

杉並区民オペラ「カルメン」稽古の最中です。

欧米の歌劇場でも「カルメン」の演出は割と保守的なものが多かった気がしますが、最近は読み替え・抽象が主流になってきました。この春に初演されたロイヤルオペラハウスのカルメン(バリー・コスキー演出)は最初から最後まで舞台上にあるのは大階段だけという、ショー的な演出でした。

先日BSで放映された、エクサンプロヴァンス音楽祭のカルメン(チェルニヤコフ演出)は設定が現代のオフィスのロビーのような場所。人生に疲れて無気力になった夫に妻が「演劇セラピー」を受けさせるために連れて来た場所で劇中劇の形でカルメンが展開するのですが、細部まで実によく考えられていて、とても面白かった。「カルメン」が上演されすぎてもはや陳腐なオペラの代名詞になってしまっていることを逆手に取った演出。ホセ役のマイケル・ファビアーノの映画俳優並みに高度な演技には興奮しました。彼は演技に入り込みすぎてカーテンコールでもまだガタガタ震えているように見えました。

ベルリン・シュターツオーパーの現在のプロダクション(クシェイ演出)も四角い箱が回っているだけの抽象表現で、タバコ工場は娼婦の館に置き換えられています。

リヨンのプロダクション(オリヴィエ・ピイ演出)は劇場で展開する設定で、「パリアッチ」のような読み替え演出になっています。

今回の自分の演出はひねりはなく直球ストレートです。日本ではまだ、読み替えどころではない古くさい型にはまったカルメンもよく観るように思うので「直球でありながらグサグサ来る演出」で勝負したいと思いました。カルメンというキャラクターをいかに魅力的に見せるかについては沢山考え、稽古場でキャストと試行錯誤しています。よく歌える若手中心のいいキャストが揃いました。チケットはまだ若干あるようなので是非お越しください。

 

チケット予約はサイトからできます

 

ソプラノ富永美樹さんのリサイタルでメノッティ作曲「電話」を演出しました。明後日本番です。カルメンと打って変わって、ひたすら楽しい二人芝居です。こちらはほぼ売り切れとのこと。