ダ・ポンテの生涯を描いたオペラ

ダ・ポンテの生涯を描いたオペラ

 ロレンツォ・ダ・ポンテのめちゃくちゃ破天荒な生涯に魅せられて、以前にもブログで長々と記事を書いたのですが、なんと最近、彼の生涯がオペラ化されて、ヒューストン・グランド・オペラ(HGO)で初演されたそうです。同じところに目を付ける人がいたことに感動! これは観たい! しかも台本・演出が演劇の大御所、レ・ミゼラブルの演出家ジョン・ケアードです。

 雑誌Operaの記事を紹介します。

 HGOの委嘱で制作され、昨年8月にワークショップ上演されたこの作品は、タイトルが ”The Phoenix” (「不死鳥」)。作曲はTarik O’Reagan。台本・演出ジョン・ケアード。サブタイトルが “The Operatic Adventures of Lorenzo Da Ponte on Two Continets in Two Acts” (ロレンツォ・ダ・ポンテの2大陸に渡るオペラの冒険、全2幕)。

 ストーリーは、ユダヤ人として生まれたダ・ポンテが少年時代に改宗し、ふしだらなカトリック神父、学校の教師を経て、売れっ子のオペラの台本作家となり(台本を提供した作曲家は実に11人)、その後、雑貨商、お店の店員、ジンの蒸留業、書店業、イタリア語とイタリア文学の教授、自伝作家、オペラ興行師・・・と様々な職を転々とした生涯を追う。

 幕あきは1832年のマンハッタン。オペラThe Phoenixの舞台稽古がダ・ポンテの息子エンツォによって進められているところ。主演は19世紀の著名なディーヴァ、マリア・マリブランで、資金集めの手段として企画された。アメリカに渡って33年、ダ・ポンテはアメリカ初のオペラハウスを建てようとしていたのだ・・・。

 ダ・ポンテ役はトーマス・ハンプソン。ハンプソンの実生活での義理の息子であるルカ・ピサローニが息子のエンツォ役。 マリブラン、モーツァルト、ダ・ポンテの妻ナンシーの3役はメゾ・ソプラノが一人で、他の役も一人が6役を兼務したりする。

 こちらがHGOの当作品のページ

 https://www.houstongrandopera.org/thephoenix


 こちらがトレイラーです。

 https://www.youtube.com/watch?v=1eEEqrMdNHE

 

  Operaの公演評では「作品は史実のディテールやマイナーな人物が盛りだくさん過ぎてドラマのフォーカスが鈍くなっているが、音楽はとても魅力的で、演出は色鮮やかでキャストは非常に良い」と書いてあります。