「ドン・ジョヴァンニ」…モーツァルトの当てこすり 2014.07.28(月) 「ウナ・コザ・ラーラ(珍しい出来事)」というオペラ名を聞いてピンとくるだろうか。モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」の2幕フィナーレ、晩餐のシーンで舞台上のバンダが演奏する曲は、実はマルティン・イ・ソレールという作曲家が […] 訳詞という作業について 2014.07.06(日) 「天才執事ジーヴス」開幕にちなんで、訳詞という作業についても考えてみます。 訳詞は翻訳の中でも制約の多い部類に入る。音楽の形の中にあてはめていくので自由度が極端に低い。英語と日本語の構造の違いにより、ワン […] 戯曲翻訳で大事にしたいこと 2014.07.05(土) 上演台本と訳詞を担当したミュージカル「天才執事ジーヴス」(アンドリュー・ロイド=ウェバー作曲、アラン・エイクボーン脚本)が現在、日生劇場にて上演中なので、戯曲の翻訳について。 私が戯曲の翻訳で常々大事だ […] 「さまよえるオランダ人」…幽霊船が目覚める 2014.06.02(月) 「さまよえるオランダ人」で私が一番好きなのは第3幕、水夫の合唱の場面のオーケストレーション。 苦しい航海の末にようやく上陸の見通しがたって、水夫たちは歓喜を爆発させ、騒ぎはしゃぎ、まず舵手をからかう。「 […] 「ラ・ボエーム」(1)… 原作「ボヘミアンの生活風景」 2014.05.26(月) 有名な小説を原作としているオペラは数多くあり、メリメの「カルメン」やデュマ・フィスの「椿姫」、ボーマルシェ「フィガロの結婚」などは日本でも文庫本ですぐに手に入る。しかし「ラ・ボエーム」の原作として常に名前だけは紹介され […] 「ワルキューレ」…フンディングは何故ジークムントをその場で殺さないのか 2014.05.26(月) ワーグナー「ワルキューレ」1幕で、戦いで傷を負った主人公ジークムントは敵方フンディングの館にそれとは知らずにさまよい込む。そこへ帰ってきたフンディングはジークムントと会話するうち、相手が自分の一族の復讐を果たすため追い […] 「こうもり」(1)…アイゼンシュタインは何故フランスの貴族を名乗るのか? 2014.05.25(日) ヨハン・シュトラウス「こうもり」は単なるスラップスティック喜劇ではない。19世紀ウィーンの社会背景を少し知っておくと、窮地をとんちで切り抜けようとする登場人物たちの状況とそこから生まれる可笑しみがより一層際立ってくる。 […] 「こうもり」(2)…アイゼンシュタインが狙う「ネズミちゃん」とは 2014.05.25(日) ファルケは「君の大好きなオペラ座のネズミちゃんたちを捕まえにオルロフルキーのパーティに行こう」とアイゼンシュタインをけしかける。 「ネズミちゃん」(Mäuschen)はドイツ語で主に若い子への呼びかけに使われ […] 「フィガロの結婚」伯爵夫人のカヴァティーナ:ファゴットと一筋の涙 2014.05.25(日) モーツァルトの魅力のひとつ、それは心の細かな震えとそれに伴う身体の状態が、和音とインストゥルメンテーションによって驚愕的なほど具体的に描き出されていることだ。 「フィガロの結婚」第2幕冒頭、伯爵夫人のカヴァティーナ。「 […] << < 17 18 19 20 21